1.管理費の滞納とは
①滞納額は買主にも引き継がれます。
マンション売買時、滞納金は区分所有法上買主に引き継がれます。仲介不動産業者は売り物件の滞納の状況を必ず確認し、滞納金がある場合は、買主負担となってトラブルになることを避けるため、売買時に代金から滞納金を精算して組合に支払わせるのが一般的です。この意味では、いずれ支払われる可能性が高いとも考えられます。
②滞納者は区分所有者?
滞納額を督促する際は、念のため不動産登記簿謄本を取得するなどして、区分所有者であることを確認しましょう。管理費の支払者が区分所有者とは限りません。登記簿謄本を取得することによって、他の抵当権や税金の差し押さえ等の有無も確認できます。

③滞納者には遅延損害金も請求できます。
マンション管理組合の一般的な規約では、滞納者に対して遅延損害金を課す条項があり、その率は14.5%~18%となっています。これは昔の‘サラ金’なみの高利ですが、「利息制限法」の利息ではなく、損害賠償の予定としての「違約金」となり、そのまま管理組合が滞納者に請求できます。
④消滅時効にかからないように!
滞納開始から5年経つと滞納者は消滅時効を主張できてしまいます。これを防ぐため「支払計画書」を作成して署名してもらいましょう。但し効果は永久ではなく、署名後に時効に向けたカウントが再スタートします。

⑤裁判を利用するには総会が必要です。
訴訟の印紙代や弁護士費用等諸費用が掛かります。裁判で勝訴した際に、被告の滞納者に諸費用も支払わせるよう裁判の前に規約に追加改正しましょう。また、訴訟の開始や、裁判費用の予算承認のためにも総会が必要です。なお管理組合が勝訴しても、滞納者が直ぐに払うとは限りません。その場合は「執行手続き」が必要となり、さらに弁護士費用が発生するほか、高額な「予納金」を一旦裁判所に納入する必要が生じ、これらもあわせて総会の予算承認が必要となります。
⑥督促と並行して裁判準備も
滞納者が自発的に支払うよう仕向けることが大切ですが、先ずは役員さん数名で訪問してお話しされるとか、理事会に来てもらって状況を話してもらいましょう。その際、双方同意の上で、分割払い等で数ヶ月で追いつく「支払計画書」(④で説明)を作成、署名していただくのが良いかと。それでも支払わない場合は、内容証明郵便、さらに臨時総会を使った方法へ進んでいきます。
⑦臨時総会後、裁判所に提訴
提携の弁護士を紹介しますので、どれくらいの費用で提訴から執行までかかるか打ち合わせを開始しましょう。それをもとに臨時総会の議案を作成し、また併せて、裁判費用を滞納者に支払わせるための規約改正案等も上程すれば、滞納者への「効果的な圧力」にもなるでしょう。
臨時総会で裁判関連議案が承認されても、滞納者が自発的に支払わない場合は、弁護士と打ち合わせた通り提訴する、という流れとなります。

※滞納者の移転先が不明な場合
滞納者本人の住所や相続人が不明な場合は、依頼して調べてもらいます。弁護士よりも相続登記を扱う司法書士や、内容証明郵便も扱う行政書士が安く調べてくれます。自治体によっては理事長さんからの申請で住民票を交付してくれるケースもあります。